• おばあちゃんは傘寿の乙女

    Sobo

    「敬老の日にプレゼントを贈ったり、いつまでも元気でいてねなどといったりすると、祖母はとても嫌がるんです。

    先日も知らない人に"おばあさん、これ落としましたよ"と、
    ハンカチを落としたことに気づかなかったのを親切に教えられたのに"おばあさんと言われた"と怒っていました」
    笑いながら話してくれた彼女(28歳・団体職員)の祖母は今年八〇歳。

    「うちのおばあちゃんは、自分は老人じゃないと思いたい、傘寿の乙女なんです」
    という祖母に昨年の敬老の日、彼女と母親は高級ブランドの顔用パックを用意した。

    「もしかしたら怒るかな、と心配もあったのですが、とんでもありませんでした。
    "これでバッチリツヤツヤお肌になって、恋人をゲットして!"と言うと"あら、どうしましょう"と実にうれしそうな顔をしてくれたんです」

    傘寿の乙女にふさわしいプレゼントをもらった祖母は、
    「使い方がわからないよ。こんなもの、使ったことないもの」とそわそわしつつ、手にとって眺めまわすと、テレビの上にていねいに飾った。

    「使い方を教えましたが、うれしそうに眺めるだけでした。
    でも、その日の背中はいつもよりピンと伸ひているように見えました。
    年寄りだからって年寄り用の贈り物が喜ばれるわけではないんですよね」

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