• 祖母への大きなポチ袋

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    祖父母に喜んでもらうプレゼントはなかなか難しい。
    長い人生を歩んできて、必要なものはほとんど揃っている、モノは大切に使う、人生や物欲には達観している。

    悩んだ挙句、渾身のプレゼントを選んだと思っても、慣れないものには抵抗があったり、大事にしすぎたりしてお蔵入りしてしまう。

    好物の果物や甘いものをあげれば喜ばれるのはわかっているけど、代わり映えしなくて、贈る自分の方がなんだか面白くないー。

    そんな祖父母へのプレゼントで
    「本当に喜んでもらえたのがお年玉でした」
    と、調剤薬局で働く31歳の薬剤師。

    「私の親は自分の子にはお年玉を出しませんでしたが、祖父母はこれまで何十年もの間、
    自分の子供や孫、甥や姪、その他にも親戚の子供たちにお年玉を出し続けてきたわけですよね。
    見返りなんかまったく考えず、そりゃ多少の義務感はあったかもしれませんが、子供たちが喜ぶ顔を見たくて、お年玉を渡していたんだと思います。
    私は、自分で言うのもなんですが、世間ではいい
    年と言われる年齢になりましたけど、結婚もしてないし、子供もいない。
    兄の子供である甥っ子はまだ二歳だし、お年玉をあげる子供がいないんですよ。
    それではと、私が働き始めてから、お年玉をもらい続けてきた祖父母に、お年玉をあげることにしたんです」

    祖父母にとってはお年玉は子供にあげるもので、よもや自分がもらえるとは思いもよらなかったようで、
    驚くと同時に、子供のようにうれしそうな顔をした。

    「初めてお年玉をあげたときは、かわいいポチ袋(注一祝儀やお年玉などを入れる、小さな炭斗袋)に
    5000円入れたんですけど、とても喜ぶので次の年からは一万円にアップしました。
    あんまり喜ばれると、ついつい多く入れちゃうんですよ」

    おじいちゃんやおばあちゃんは、孫からもらったお年玉を何に使うんでしょう?

    「うちには私を含めて孫は五人いるんですが、おばあちゃんは袋に入れたまま大事にしまってある。
    おじいちゃんは好きなお酒に使っているみたい」
    お母さんやお父さんにもあげてる?
    「もらったことないから、あげていません」

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